駅伝には当然ながらタスキリレーというものがある。駅伝の関係者はやはり,このタスキリレーの瞬間というものは,感動があったり,興奮があったりするものである。今冬のテレビ放送での駅伝を見ていて思ったことがある。タスキの中継ミスが多いことである。
本チームでは,タスキリレーのミスは絶対に許されるものではないという指導をしている。たとえば,テレビで多く見られたのは,前区間の走者が走ってきて,次区間の走者が中継点にいない状況である。これは,タイムロスにつながるので,直接駅伝の結果につながる。しかし,それ以上に,走ってきた選手にとっては非常に残念であるし,これから走り出す選手も動揺があるだろう。また,タスキを片手で渡す選手がいる。これを見ると,次走者のことは全く考えられておらず,自分が走ってきたことがやっとで,それさえ嫌々に見える。本チームは,それに加えて,笑顔でタスキリレーをするようにと指導している。これは,本欄でも何度か載せてきたが,ラストスパートで表情をゆがめて必死の形相でタスキリレーをすると,次走者があわててスタートし,ブレーキをする可能性が大きくなる。ラストスパートの数秒を縮めようとスパートする分を,中間でスパートして数十秒短縮し,最後は2,3秒ロスしても笑顔でタスキをつなぎ,次の区間が落ち着いて走り出すことを優先する。
先日,小学生の駅伝の競技役員をした。小学生の駅伝では,上記のことを指導するのは難しい。小学生に対して,そうした心の指導を理解させることが困難だからである。実際は中継時には片手中継であったり,次走者がいなかったりすることがあった。その小学生であっても,ちゃんと次区間の選手のことを考えてつながれたタスキがあった。だからなおさら,高校生はわらなければならない。もう心が理解できなければならない年齢である。タスキは心でつなぐもの。その理解こそ,自分自身の成長につながるものだと思う。
