箱根駅伝は東洋大学の圧勝に終わった。テレビを見ている方としては早くに勝負が決まり,面白みに欠いたように感じた人も少なくないだろう。自分もそんな気持ちはあったが,途中からは違った。
一昨年,3年前と2連覇を果たした東洋大が,昨年は10区間217.9kmを走って,史上最短差のわずか21秒差で早稲田大学に後塵を拝した。「1人2秒…」と嘆く姿を目にした。1年生から3年連続で5区の区間賞をとった山登りのエース,柏原竜二選手は,「自分が区間新,もしくはそれに近い走りをしていれば21秒差はなかったはず…。」と悔しがった。
チームは「1秒を削り出せ」を合言葉に「柏原頼みからの脱却」を図ったという。これはレース後に知った話であったが,リアルタイムに走りを見ていて感じるものがあった。10区間中,区間賞は6つ。区間10位以下はない。有力チームにありがちな,区間賞を取るランナーはいるものの,区間順位が後半の者もいるというデコボコすることが多いが,全員がノーブレーキの安定した走りには感動した。しかも,往路では1区から粘り強い走りで4位につけ,2区でトップに立つと後は3区連続区間賞で,5分の大差をつけてコース新記録での往路優勝。これで楽に走るのかと思いきや,復路で攻め続け,6区から3連続区間賞。もう転んでも勝つという状況でアンカーにタスキが渡ったが,それでも手を抜かず,アンカーも区間2位に1分半以上の差をつける区間賞。復路新記録,総合コース新記録それを物語っている。
自分は,この完膚なきまでに他チームをたたきのめした東洋大学の盤石の走りに感動した。昨年,敗北した翌日から始まった王座奪回のための努力。盤石を作り出すための必死の過程から生まれたこの日のレースに,自分は心を打たれた。まだまだ本チームは甘い。強いチームが必死になられたら勝てない。弱いチームはもっと必死にならないといけないのである。
